石黒産業エクステリアカタログVol.10
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このような状態は、一概に商品の性能上の欠陥ではありませんが、的確な予防と対策で未然に防ぐことができます。コンクリートの凍害には、2つのケースがあります。いずれも、特に気温差の大きい寒冷地で施工されたブロックでしばしば発生する現象です。本来コンクリートブロック製品は他の建築材料と比較しても、耐久性が高く施工後のメンテナンスもほとんど不要ですが、近年は景観性に富んだ化粧コンクリートブロックのニーズが高まり、主流となっています。そのため、色合いや肌合いといった化粧コンクリートならではの魅力を保つためには、適切なメンテナンスが必要となってきます。風合いや耐久性が損なわれるのは、主に次のようなことが原因と思われます。「エフロレッセンス」とも言われます。主に水に溶解したセメントのアルカリ成分が、大気中の二酸化炭素などと結合してブロック表面に白く現れる現象です。特にブロック製造直後や施工初期に多く、低い気温や高い湿度、雨や雪、風通しなどの影響により発生しやすくなります。白華により製品の性能が損なわれることや、環境や人体への悪影響はありませんが、外観が損なわれるため、しばしば問題視されます。年数の経ったコンクリートブロックの表面は、雨や雪などの影響で物理的に劣化し、細骨材が露出してきます。露出面は一般に脆弱で多孔質化していくため、凹凸ができ、吸水率も高くなっていきます。そこに粉塵やカビ菌が付着するために、汚れや黒ずみが生じます。泥やホコリなどの他に、カビや藻などがブロックの美観を損なわせる場合があります。特に湿度の高い時期や日陰に多く発生します。汚れを落とすために高圧洗浄機等を用いる場合には、事前に必ず目立たない場所で試し洗浄を行ってください。水圧が強すぎると、変色や剥離が起こる可能性があります。施工時の充填モルタルに硬化促進剤等を使用した場合、急激な乾燥、収縮等が起こるため、上のようなひび割れがブロックに発生することがあります。「炭酸化」とも言われます。セメント水和物が炭酸化により分解され、本来コンクリート製品の持つ強いアルカリ性(pH12〜13)が失われて、pH8.5〜10程度に低下する現象です。pHが低下すると鉄筋が腐食しやすくなり、塀や構造物の耐久性を損ないます。白華凍害汚れひび割れ中性化 ご注意〈現象〉〈弊害〉ブロックの色幅について※弊社コンクリート製品は自然素材を原材料に若干の着色を施している ため、商品色については若干の色幅がありますのでご了承ください。(一般的に言われる)凍害初期凍害コンクリートの硬化初期において、凍結または凍結融解の繰り返しにより強度低下や破損を起こす現象十分に硬化したコンクリートが、長い年月の間、凍結融解を繰り返した結果劣化するものひび割れの例73〈弊害〉〈注意〉コンクリートブロックにフェンス(アルミ製・木製)を取り付ける場合は、原則として重量ブロックを使用し、フェンス材料の特性と取り付け方法をよく検討したうえでご使用ください。特にモルタルに硬化促進剤を用いる場合は、混合剤との相性でブロックに悪影響が及ぶ場合がありますので、絶対に行わないでください。ひび割れモルタルやコンクリート(製品)は乾燥収縮により体積が減少します。また、気温の低下によっても収縮します。このように乾燥や温度変化が繰り返されると、ひび割れが発生します。発生の状況は場所や気候によりさまざまです。中性化Ⅰ.コンクリート製品の特性白華〈現象〉凍害汚れ〈現象〉

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